AVANT コーヒー部

アヴァント株式会社というシステム会社内のコーヒー部が、珈琲焙煎やコーヒーネタなどについて書いています。

【産地と豆種】6.ブラジル その2

こんにちは。

アヴァント コーヒー部、【広報】です。

 

今回はブラジルについてです。

 前回は国土や歴史にすこし触れました。

今回は、ブラジル というブランドについてすこし触れます。

 

================

 

世界No.1生産量 というブランド。

「ブラジルはコーヒー生産国として、まぎれもなくNo.1である。」

コーヒーといえばブラジル。これは生産量においては間違いないです。

 

長年、ブラジルではその生産量の多さからか、「しごき」収穫を行い、未熟・早熟・完熟・熟れすぎが混ざる形で大量の実を落としていた。広大な農地では収穫機を使い一気に収穫するため、その方法であっても同じく成熟度に関してはほとんど意識されないため雑多に混ざってしまいます。

 

またこの大量の実を裁くため、精製においてもナチュラル製法(パティオに敷いて天日干し)を採用していた。1990年代になるとすこし精製方法も進化してパルプド・ナチュラル製法が採用され、品質は少し改善する。

 

これがブラジルのコーヒー豆の大半の生産方法です。

 

===============

ブラジルのスペシャルティコーヒー

 

ロブスタ種も生産したり、生産量重視のブラジル。それでもその中にはスペシャルティコーヒーの生産を行う農園ももちろん存在します。日本の焙煎店で飲める「ブラジル」ブランドのコーヒーは、こうしたスペシャルティコーヒーになります。

 

こうしたスペシャルティコーヒーの生産を行う農園・生産者では、もちろん上記とは異なり手摘みで熟れた実を収穫し、手で豆を洗い、標高が高いエリアでのコーヒー生産を行っています。

ブラジル産のコーヒーは、「酸味が少なめ、ボディは重く(苦くコク深い)、甘みも強い」というものが多く、私もそのイメージです。スペシャルティコーヒー農園ではその評価を価値に変えるため、エスプレッソやセカンドウェーブに向いた太いボディを持ちつつも、適度な酸味を持つ濃い味のコーヒー生産を続けることでブランド力・価値を高めてきました。こうした工夫の中、コーヒーの生産に最適ではない低めの標高でも、興味深くおいしいコーヒーを生産することに成功しています。

 

おいしいコーヒーに必要なトレーサビリティの面においても、高品質なブラジルコーヒーは、通常農園の特定までが生産履歴をたどることができるようになっています。

その一方で価格の安い低品質のものはとにかくいろいろ混ぜられており、履歴がまったくわからない状態。港までが特定される状態です。例えばサントス港から出荷される豆には「サントス」という銘が表示される・・・という形です。

 

そういう状況ながら、ブラジルは農園の規模が大変大きく、スペシャルティから低品質までいろいろな場所・生産方法で作る農園も存在します。1農園でボリビアの生産量を超えてしまう!なんてお化け農園も存在している状況です。

農場までたどれるトレーサビリティであっても、品質と結びつく保証はない、という1つの証明であり、生産者までたどれたとしてもそれがその品質の高さまでは担保しないということ、と言えるでしょう。

 

駐日ブラジル大使館では、コーヒー関連のイベントなどを開いたりしているようです。

またブラジルのスペシャルティコーヒー協会などと連携して展示会などへの出品を行ってその味を広め、大量生産向け・低品質のイメージを払しょくするための努力を続けています。

megabrasil.jp

================

ブラジルコーヒーの格付け

ブラジルコーヒーの格付けは、「欠点豆の数」+「スクリーンサイズ」の複合的評価で、No.2~8までに分類していきます。

 

ブラジルNo.2 という豆であれば欠点豆の数においては300g内に4粒程度まで厳選されていたもの ということになります。

しかし、ブラジルコーヒーの格付けにはもともと「No.1」がありません。それはなぜなのでしょう。

それはコーヒー豆が「農産物」であり、「欠点豆」が混ざらないなんてことはありえない というブラジルの独特な考え方にあります。どんなに頑張っても、欠点豆は入る。ということなのでしょう。

 

ただ、こうした考え方がブラジルコーヒーが低品質である というような見方を助長している可能性もあり、コーヒー豆の高級志向の中もしかしたら、ブラジルコーヒーNo.1「欠点豆なし」というものができる・・・なんて未来もあるかもですね。

 

================

ブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)加盟農園

日本でおいしいドリップコーヒーを飲むとなると、ブラジルコーヒーの中でも高品質のもの、となると思います。その1つの基準としてはブラジルのスペシャルティコーヒー協会が認定した農園を選ぶ方法が一般的です。

 

ここではいくつかの農園を紹介します。私が飲んだことがあるわけではありませんし、また上記のトレーサビリティ項目で触れたとおり、農園特定=高品質というわけではないのですが、日本国内で販売されている豆のほとんどはテイスティングも行い、ある程度品質管理が行われているものが選ばれていると思ってもよいでしょう。好みの問題はあると思いますが・・・。

 

 

モンテ・アレグレ農園

スペシャルティコーヒーの世界に名だたる大農園、モンテ・アレグレ。ブルボン専用区画で、十分な栄養がコーヒー豆へ届くように通常より広い間隔で植付けるため、深い光沢と張りを持つ完熟したチェリーになります。ブルボン種・パルプドナチュラル製法による高い品質とトレーサビリティの確保されたBSCA認証の、心地よい酸味と質感のコーヒーです。

 

プラナウト農園

プラナウトとは、「台地・高原」を意味し、高地にも関わらずなだらかな丘陵地である立地条件の良さそのものを農園のブランド名として名付けています。『珈琲は情熱だ!』というセルジオマントバーニ氏によって、義父から受け継いだ農園を現在のようなスペシャルティ珈琲を収穫するための最上級の設備が整った農園に成長しました。

収穫から精選、選別までの管理や指導は、それらが与える工程がいかに味覚品質に影響があるかを理解している農園専属の農業技術者が行っています。 

 プラナウト農園出荷の豆は、「エスプレッソレディ」などというブランド名で呼ばれ、その味はとにかく濃厚。酸味も持ち合わせるという独特な味わいを持っています。エスプレッソやセカンドウェーブ風の濃い味で飲むのに適しています。

 

カンタガロ農園

急斜面の土地に広がったカンタガロ農園は、斜面の傾きによりできる日陰を生かしてコーヒーの木に強い日差しが当てることなく、品質のよい豆に仕上げられる好立地の農園です。日々、情熱を持ってコーヒーづくりに励み、持続可能な経営(サスティナブル)に取り組む農園としてGood Inside(グッドインサイド)認証を取得しています。

 

ルタオジーニョ農園(セルタオ農園)

100年珈樹で紹介した農園になります。

 寒暖差が大きく、この農園のコーヒー豆はとても厳しい環境で育ちます。ナチュラルが主流であったブラジルで、1969年から「パルプドナチュラル」を始めた先駆者で、完熟チェリーを手摘みし、乾燥工程は1日15回の攪拌作業を15日間かけて行うなど、おいしいコーヒーづくりへの取り組みはブラジル全土のお手本の農園としてたくさんの農園主が学びに来るほどです。

 

 

以下以前のセルタオ農園の記事です。

ブラジルでありながら苦みとコクだけではなく、適度な酸味も味わえる高品質な豆だった記憶あります。当時は淹れ方が下手だったのでまた飲んでみたいですけれども・・・w

coffeebu.hatenablog.com

coffeebu.hatenablog.com