AVANT コーヒー部

アヴァント株式会社というシステム会社内のコーヒー部が、珈琲焙煎やコーヒーネタなどについて書いています。

【産地と豆種】2.タンザニア:モカの次は、キリマンジャロかなー

こんにちは。

アヴァント コーヒー部、【広報】です。

 

前回はモカについてそこそこ詳しく書きました。

モカは香り、キリマンジャロは酸味。

 

という前提で、以下を読むとすこし驚くかもしれません。

 

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キリマンジャロは、昔、モカだった。

 

当然いわゆる”モカ”とは味の上でも大きく異なるこの「キリマンジャロ」。

 

今ではタンザニアで産出するウォッシュドコーヒーについては、すべて総称/ブランド名として「キリマンジャロ」というワードを使うことができます。

ただ、キリマンジャロというコーヒーはタンザニアプランテーションで作られている、あまりブランド力のないコーヒーだったというからそれは驚き!でしかありません。

 

ブランドとして確立するまでは、実は、一度イエメンまで運ばれていまして・・・

 

あれ?イエメンといえば・・・モカの集積地ですよね。(過去記事「モカ」参照)

 

ということは・・・

 

なんと!キリマンジャロコーヒーは、以前、「モカ」として販売されていたのです!

 

現在ではタンザニアのコーヒー協会が生産・販売まで一手に取り仕切っているとのことで、キリマンジャロのブランド力が向上したことが解りますね。

 

キリマンジャロの産地タンザニアでの作付け品種は、

 

 ブルボン

 ティピカ

 ケント

 

であり、モカの産地イエメン・エチオピアはほとんどが在来種由来なので、品種として特定のものの作付けが多いというほどでもない。それこそモカ・マタリのマタリは豆種としても存在していて地名から豆種の名前がついている。(イチゴのとちおとめ みたいなイメージかな???)

いろいろ混ざってるという意味ではキリマンジャロ のティピカやブルボンが”モカ”でもいい!のかもしれないのだけれども、本当に気候・土壌・精製過程で大きく味が変わるのがコーヒーなのです。

 

なので、今、コーヒーの飲み比べる時代になっては、キリマンジャロを「モカ」ですと出されたらたぶん、わかるだろうなぁ・・・と思います。

 

ケントという豆種には前の段階では触れていなかったので、ちょっと触れてみようかと思います。

 

ケント種は、インドで生まれたティピカとほかの豆の雑種(w)です。交雑種です が正しいかな?と思うものの・・・まあ、雑種。さび病に強いものを特定させていってケント種としてインドからプランテーション農園に持ち込まれたものです。

 

その外にもブルボン亜種なども生産されているようですが大きくはこのティピカ・ブルボン・ケントの3種です。

 

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タンザニア産のウォッシュドなら全部キリマンジャロ

 

タンザニア産コーヒーの格付けは、

 

サイズ × 品質

 

の2つがあります。

サイズ面ではAA~C、品質面は最上がFINE 、以下GOOD、FAIR GOOD、FAQ、POOR・・・と全部で9段階になっています。

日本人は品質にうるさい方ですのでGOODやFINEの豆が多く入ってきていると思いますが、キリマンジャロは産地ブランドですので、CのPOORなどもキリマンジャロなんですよね・・・。

 となると、やはりそういうものと一緒にされたくないぜ という産地・農園も出てくると思います。

日本の米政策とめちゃくちゃ似ている気がする。イチゴとかもきっとこんな感じ

そうすると自主流通米ならぬブランドコーヒー/スペシャリティコーヒー化するものも出てくるでしょう。

以前一度、キボーAAを紹介していますが、タンザニア産はやはり浅く煎ると本当に酸味が強いです。嫌な酸っぱさではないんですけれども、おいしい酸っぱい味がします。

 

coffeebu.hatenablog.com

 

キリマンジャロ というタンザニア統一ブランドではなく、ここにもやはり産地からの命名が行われるようになっていますね。キリマンジャロ北部でも南部でもない、北西部のキゴマ地区だから ということも他の「キリマンジャロ」との差別化をしたいという思いもあるかもしれませんね。

 

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もちろんキリマンジャロ、まだ買えますよ。

 

 

ブレンドのものも多いですね。キリマンジャロ名で売るというと、名前で売りたい!というところも大きいのでそうなるのかな?と。

 

 

大手メーカーがキリマンジャロのブランドを維持するために販売継続しているようにも見られます。

 

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日本にいると美味しいキリマンが飲めてしまうので、ちょっと忘れがちになってしまうところがあります。

キリマンジャロを知るにはタンザニアや植民地やプランテーションを知らなければいけないですね。プランテーション=貧富の差 の代名詞みたいなところがあります。けれ

 

もちろんタンザニアでもフェアトレードは進んできていますが、タンザニアの小規模コーヒー農家の作付け面積は本当に狭く、フェアトレード導入後であっても収入はまだまだ低い状態のようです。

若者のコーヒー農家離れ が進んでいる なんて記事もありますけれども、もっと消費地価格と産地価格の差が埋まっていかないとなかなか難しいのかもしれません。

 

dev-media.blogspot.com

 

とはいえ、コーヒーは焙煎→抽出してはじめてコーヒー。そして流通コスト。この過程での費用を考えればコーヒーが今はまだまだ安いのかもしれませんよ。ただ、コーヒーがもっと高くなってしまうのも、コーヒー好きからすると困りものですし・・・

 

タンザニアキリマンジャロコーヒー農園にODA納税できればいいのに)